COACHING -指導-












■投手の守備  2012.1.15

ベースカバー
 ゴロの処理と送球の最後に、「投球に集中して自然と体が反応出来るように普段から動けるようにすることです。」と書きましたが、それを実践する一つとしてベースカバーがあります。

 投手は、ボールが右方向に飛んだら1塁の方向へ走るというのが基本ですが、それがなかなか出来ない投手がいます。また、走るがスタートが遅れベースカバーに遅くなる投手もいます。これは自然に体が反応が出来ていない証拠です。ベースカバーの基本として右方向に飛んだら1塁方向に走ることから始めよう。

 また、1塁へのベースカバーだけでもケースはいくつもあります。スタートは同じ1塁ベース方向ですが、1塁手が捕ってトスする場合は、やや回り込んで捕球し1塁ベースを踏みそのまま駆け抜けます。2塁手が送球する場合は1塁手が間に合えばそのままファールラインまで走り抜けます。1塁手が飛び出し投手が捕球する場合は、ベースに直線的に速く入り1塁手と同じように体を伸ばし捕球します。

 しかし、投手が1塁ベース上でミスをするケースがしばしばあります。1塁での捕球で失敗することとしてベースが気になり送球を落とす。捕球に気を取られベースを踏み外す。これらの多くはベースに入る前にベースの位置をしっかり確認していないことです。野手の動きを見過ぎてベースカバーに入ってしまうとこれらのミスに繋がります。ベースに入る投手の目的は1塁でアウトにすることです。事前に1塁ベースの位置を確認して捕ってすぐにベースを踏めるように又ベースを踏んでから送球を見るようにすることです。しかしそれらもベースカバーが遅れては成り立ちません。投手の右に打球が飛んだら1塁へのベースカバーが自然に出来るようにしよう。また他のベースカバーも同様です。

 それから、ベースカバーは色々ありますが、外野に打球が飛んで野手が捕球し3塁や本塁へベースカバーに入る時は近くに立っていては後ろに逸らすことになりやすいので、どういう送球が来ても捕れるようにベースから遠く離れて待っていることです。この際、タッチアップの場合は全力で走らなければベースカバーに間に合いません。外野フライが飛んだら投手は全力でベースカバーに入ろう。

 もう一つ3塁や本塁に投手が入り捕球するケースがありますが、共にタッチプレーとなります。特に本塁は1点入るかどうかの場面ですが、パスボールなどはこれもスタートが遅れてはアウトに出来ず、また速く入っても走者に気を取られて捕球時目を早く切ってしまうと捕球ミスにも繋がります。大事な場面だけに素早く冷静にプレーするように心掛けよう。

 これら、ベースカバーだけでも沢山のケースがあります。投手の守備機会は多くそれらをミスなく処理することはいい投手の条件です。投げるだけの投手は成功しません。そのことを頭に入れて守備の練習を繰り返すことです。