■ピッチングフォーム徹底分析
第11回 田中 雅之 2010.12.18
乙川クラブ−東山クラブ−関西
紹介:田中投手は小学時代に乙川クラブで学童選手権愛知県大会準優勝、ヘーベルハウスカップでは岡崎タフィーズを3対0で完封し優勝投手に輝く。また、ドラゴンズジュニアに選ばれ主に先発を任され12球団ジュニアトーナメントでドラゴンズジュニアが初の日本一となり優勝にも貢献する。現在、東山クラブの2年生だが秋の新人戦で優勝。青島投手(六田ファイターズ出身−ドラゴンズジュニアでは抑え投手)と共に左右のエースとして全国大会出場が決まった。ちなみに双子の兄弟の智之君も強肩強打でドラゴンズジュニアの正捕手。愛知県でも屈指の双子のバッテリーである。
フォームチェック:★★★★
上の写真は先日KS杯で優勝した時のピッチング練習風景。今大会は2回戦と決勝戦に先発し無失点。決勝戦では近畿大会で準優勝(中学版野球小僧に掲載)し共に全国大会が決まっている田原本中学校に3塁を踏ませず完封した。
1枚目の写真は、足を上げ体を捻り体重が十分軸足に乗りタメのある形が出来ている。この時点では体を閉じろと指導しているが体を閉じる形が出来ている。
2枚目の写真は、腕を下ろして体重移動しているがお尻から移動して右腕で開きを抑えている。更に右足の踵がこの時点で軸足に残っており素晴らしい。腕もしっかり下がっているので申し分ない。
3枚目の写真は、ステップするまでの形でお尻から移動しているので頭が残り肩のラインが右肩上がりで力量感がある。加えて2枚目で下ろした腕が遠くを回りながらしっかりと肩のラインまで肘が上がり手首の位置もセンター方向の遠くにあり胸も開いて大きい大の字が描かれている。但し、少しお尻が下がっているので下がり過ぎないように注意したい。
4枚目の写真は、腕を振っているところだが上体が沈み込み過ぎて頭が少し傾いている。このままフィニッシュまでいっているのでもったいない。これを修正するならばこの時点で胸を張って頭を起こすといいだろう。
5枚目の写真は、軸足の蹴りがやや十分ではなく流れている。腕の振りがいいだけに軸足の蹴りが出てくるともっと良くなる。
全体を通じて、軸足がしっかりしているので足を上げてから安定感がありバランスがいい投手で既に中学2年生にしては完成されている。また腕の振りが素晴らしく球にキレがあるのが特徴。目もしっかりとキャッチャーミットを最後まで見ているのでコントロールも良い。ただ、赤のラインが頭の理想ラインなので頭を下げないようにして振った腕の戻しがあれば、もっとスピードは出だろう。現在174センチ61キロ、足は28センチ。これからの成長を大いに期待したい。
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