ANALSIS -分析-












■ピッチングフォーム徹底分析

 第13回 久保地 涼太 2011.3.17
 トヨタ自動車 引退





紹介:久保地投手は土佐高出身、2008年春には高知県で優勝し四国大会に出場。この時、私の母校も出場したが共に1回戦敗退。高知県では注目の投手であった。高校卒業後はトヨタ自動車に入社。今まで公式戦の登板はなかったが、3年目になる今年、スポニチ大会で2試合登板し143キロをマーク。今後の活躍が期待される184センチの本格派右腕である。

フォームチェック:★★★★
 上の写真は先日の試合前のピッチングフォームであり、走者がいなくてもセットポジションで投げていることを頭に入れてほしい。
 1枚目の写真は、セットポジションの形。全体で包み込むようにやや背中と膝を軽く曲げている。トヨタ自動車の投手はこの形をとる。
 2枚目の写真は、足を上げるところでランナーを想定しているので、ややすり足気味。この時、お尻の落とし込みが深過ぎてしまっている。184センチの長身を生かす為にもお尻の落とし込みを浅くすべきだろう。
 3枚目の写真は、腕を広げておりグラブが前に伸びており良い。反面、右腕の見えておらず胸が十分には張れない。このやや右から撮っている写真から見ても、せめて肘が見えるようにしたい。
 4枚目の写真は、ステップして切り返すところで腕のしなりが良い。また、グラブの位置もいいだろう。但し、残念ながらあごが上がってしまってキャッチャーミットが見えていない。コントロールがアバウトなのはこの点にある。あごを引いてミットから目を離さないようにしたい。
 5枚目の写真は、腕を振り切っていていい形だ。もう少しベテランになるともっと腕が前に伸び、ここまで腕が体に巻きつかないが若い証拠でいいだろう。
 最後の写真は、フィニッシュした状態。振った腕が戻ってきており良い。軸足も高く跳ね上がり胸も張った状態のままで躍動感があり、しっかりと踏み出した足に体重が乗っていて素晴らしい。ただ疲れてくるとバランスを崩しやすいので踏み出した足の親指でしっかりと止めることと、グラブが後ろに流れ過ぎないように注意することだ。そうすることで、やや体が一塁方向に流れることを防ぐことが出来る。
 全体を通して、注意する点はお尻の落としこみを浅くし右肘を引き胸を張ることと、あごを引いて絶対にキャッチャーミットから目を離さないことだ。ただ、現段階ではコンパクトなフォームでスピードを求めており難しい点がある。将来的に大きく育ってほしいので、腕のしなりなどの長所を生かす為にも、ワインドアップで振りかぶって角度のあるボールを投げてほしい。



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