■ピッチングフォーム徹底分析
第15回 青島凌也 2011.9.26
東山クラブ−東海大相模
紹介:青島投手は少年野球時代に六田ファイターズに所属しドラゴンズジュニアの抑え投手として日本一となる。中学では軟式の東山クラブに進み第11回ピッチングフォーム徹底分析でも紹介した田中雅之投手らドラゴンズジュニアの多くも東山クラブに進んだことから東山クラブはドリームチームとなり黄金期を迎える。東山クラブではエースとして数々の優勝を遂げ、中でも昨日の文部科学大臣杯第2回全日本少年春季軟式野球大会では、3試合連続完封で見事、全国準優勝に輝く。身長176センチ、MAXは139キロとも言われるスピードボールが魅力だが案外コントロールも良い。先日本人にも会ったが進路は既に決まっているとのこと。今後高校での活躍が期待される全国区の愛知県bP投手である。
フォームチェック:★★★★
上の写真は8月5日に瑞穂球場で中日少年準決勝の時のピッチングフォームである。(全国大会も残っていたので今日まで掲載を止めていた)
上3枚は、振りかぶって軸足に体重を乗せるまでの動きだだが、2枚目の膝の高さを見てもらいたい。胸の高さまで上がる強靭な下半身の持ち主だ。ただ、この時点でグラブとボールが離れているので合わせると良い。
3枚目の写真は、軸足に体重を溜めていてお尻の向きがキャッチャー方向まで向いていて良い。右手の位置もいいところに下がっていて手首に余分な力も入らず力が抜けている。ただグラブの位置が胸のあたりで右手が下がっているので左右対称にならずバランスがいいとはいえない。この時点ではまだ右手が下がるのが少し早いといえるだろう。また、2枚目から3枚目にかけて上げた足の踵が軸足に戻ってこないので、一度戻してバランスをとりたいところだがこれでも投げられるのは下半身が強い証拠だ。特に2〜4枚目までの間がゆったりとしていてやや膝が開く欠点はあるが非常に安定している。
5枚目の胸の張りは十分。手首の位置がややサード方向を向くのでアップライトにセンター方向に向かせたい。
6枚目は頭が下がってしまっている。ただ、腕の振りは速く5枚目から6枚目にかけて一気に振り下ろす。
7枚目から9枚目は非常に力量感があり、体の強さがよく出ている。腕は後ろの方までいき背番号が見える。加えて左肘を後ろに引いている。踏み出した足は膝が伸びバネを十分使っている。6枚目から7枚目の膝の使い方は理想的だ。更に軸足は高く上がりこれが139キロのスピードボールを投げられることに繋がっている。7枚目は頭さえ下がらなければ背中から軸足まで一直線の最高のフォームである。
8枚目から9枚目まで、軸足は地面につかず一本足で立っている。また振り切った腕が自然に高い位置まで上がっているのは、スピンが利いたボールになり体が1塁方向に流れるのを防ぐことも出来る。グラブは脇につけているのも左右のバランスを保つことに繋がっている。
全体的には、中学生ながら高校生の体に仕上がっているのが力強いフォームとなりスピードボールを投げられることになっている。今後、上げた足の踵を一旦軸足につけること、頭を下げないことの2点を修正すれば更に良くであろう。青島投手の今後の高校での活躍に大いに期待したい。
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