ANALSIS -分析-












■ピッチングフォーム徹底分析

 第16回 浦嶌颯太 2012.3.15
 菰野−ホンダ鈴鹿






紹介:浦嶌投手は三重県四日市市の菰野までは約10キロの西笹川中で軟式野球部出身、中学時代も注目され投手育成で有名な戸田直光監督のいる菰野高を選択 、1年生春からベンチ入りし春の東海大会1回戦の愛知啓成戦でも登板、予選でも140キロするなどプロも早くから目をつけていました。身長182センチで83キロ、昨年秋にマークした1年生最速の151キロのスピードボールが魅力です。変化球はスライダーぐらいで当面じっくり育てる方針なのであまり投げません。その方針が私から見ると共感が持てます。体つきを見ると下半身がしっかりしてお尻も大きく、それに比べて上半身には余分な肉はついておらず投手として理想的な体つきをしています。今後、全国屈指の逸材として注目を一身に浴びることは間違いないでしょう。

フォームチェック:★★★★
 ワインドアップから、左上の写真でも分かるように足をゆっくり上げます。その後、高い位置に置いたグラブまで膝を上げお尻がキャッチャー方向に向き下半身がしっかりと捻じれています。上げた足の踵は軸足に沿うように太もも前方まで上がり案山子の形が形成されています。ここが素晴らしく、ここまで上半身、下半身共に力が抜けた状態で難なく上がり股関節の柔らかさと下半身の強さを感じます。
 その後中央3枚の写真はステップするまでですが、右手と左手が平行に動きます。この形はバランスを取るのにいい形ですが、グラブは一旦下げない形の方がいいでしょう。但し、次の写真ではしっかりと上がって前方に突き出しているので胸はしっかりと脹れています。また、左足は一旦伸びますがこれもやや膝を曲げてステップする方が自然でしょう。右の写真は肘がしっかりと上がって左足も踵からステップし左右対称で大きい大の字が描かれています。この時点でも体に力は入らずにこの形が出来ています。また、踵から入ることにより体の突っ込みは全くありません。3枚の写真までゆっくりとした動きも出来ていて肩の開きもありません。
 下3枚の写真は、ステップしてからですが左肩がやや早く開いています。ただ、腕はしっかりと残っていて肩関節の柔らかさを感じます。次の写真は腕を振った状態ですが、足が早く離れています。もう少し我慢して腰を入れたいところです。膝ももう少し前に出ると、もっと腕が前に伸びて力強さが出るでしょう。この時点で腕が巻きつくということは収まりが早いということです。ただ、最後は左足に体重が載っています。その後、腕の戻しはありませんでしたが戻すといいでしょう。
 全体的に見ると、オーソドックスな力が抜けたいいフォームです。目もキャッチャーミットから離すことはなく全くありません。頭の位置も下がらずバランスよく楽に投げています。現在高校2年生になる段階で、軽く投げていますがボールの勢いは凄いものがあります。修正点はいくつかありますが、これから高校卒業するまでにどれだけ進化するか楽しみにしています。

 


 
 



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