■ピッチングフォーム徹底分析
第18回 七原優介 2013.4.30
知立東−名古屋大−トヨタ自動車
紹介:七原優介投手は180センチ75キロ、愛知県刈谷市出身。依佐美中時代は軟式野球部で捕手、知立東高で投手に転向しエースとなる。高校時代は140キロを超え野球小僧の「ドラフト候補100人名鑑」にも選ばれ高校野球ドットコムにも紹介されている。右上はその時の写真。大学は名古屋大学に進み、体幹トレーニングでスピードは更にアップ。2年生の時には152キロをマークするなど注目を浴びる。社会人のトヨタ自動車相手にも剛腕を披露。現在3年生で、大学は2部ながらこれまで4試合登板し2失点。この2失点も2試合延長に入ってからの失点であり、9回を4試合無失点に抑えている。来年、ドラフト候補として取り上げられるのは間違い注目の投手である。
フォームチェック:★★★★★
七原優介投手はノーワインドアップからの投球。1枚目の写真は足を上げた時の写真であるが、ベルトあたりでセットし一旦胸に移動し足を上げる時におへそあたりでキープ。ここまでは巨人の西村投手にやや似ている動きである。
その後、膝を伸ばしながらゆっくりと足元は地面に沿うようにステップ。この動きがとても安定している。グラブも低く出す。3枚目の写真で、スピードを求めるならグラブは高く上げてもいいと思うが、剛腕ながらコントロールがいいのは、このグラブの使い方もあるだろう。頭と軸足の膝はしっかりとプレートに近く残っていて、お尻の落とし込みも十分である。欲をいえば左足を残しお尻からキャッチャー方向に移動すればいいだろう。
4枚目の写真は、胸が十分に張っていて頭も突っ込まず右手の位置も理想的で文句なし、腰も十分に入っている。5枚目の写真は腕を振っているところだが、少し足が早く離れている。この日は7分程度の力であったとのことなので早く離れているかもしれないが、我慢して残せば腰の折れ曲がりもなくなり左膝に十分に体重が乗るだろう。ただ@腕は前にしっかりと伸びていて、A小指が親指より高い位置にあり、そのまま左膝近くに振り切っている。また、Bグラブでしっかりと体の流れを抑えている。この3点がストレートが伸び、かつ回転がよく左右にブレない証拠だろう。
最後は軸足を高く上げ力感は十分。顎を上げ胸は張ったままフィニッシュ。全体を通しても頭の位置が下がらず全ての写真で頭は高いまま、目はキャッチャーミットから離れず、無理な腕の力も入らず、私が投手に教えているポイントがほとんど織り込まれている見事なフォームが形成されている。
また、この試合時間は1時間40分。4得点上げ、相手投手は3人投げて1時間40分。投球テンポも良く剛腕でありながらコントロールが良い。打撃も4番で3安打1ホームランとズバ抜けている。このままケガなく来年まで過ごしてほしい。
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