ANALSIS -分析-












■ピッチングフォーム徹底分析

 第3回 佐竹 功年 2008.5.3
 土庄高−早稲田大−トヨタ自動車


 日本選手権優勝 MVP受賞 2014.11.11



 日本代表としてグランドスラムの表紙を飾る 2014.11.7


 日本選手権優勝でJABAの表紙を飾る 2010.12.15




   都市対抗でのピッチング 2008.9.2


紹介:早稲田大からトヨタ自動車に入社し同じ郷土ということもあり注目していた。高校時代は瀬戸内少年野球団の映画でモデルになった小豆島の土庄高出身で四国大会に出場し注目される。早稲田大時代は、あのハンカチ王子がピッチィングフォームを真似したという逸話を持つ。大学でもドラフト候補であったが指名されずトヨタ自動車に入社。トヨタ自動車では先発・中継ぎ・抑えとフル回転。トヨタ自動車が優勝した昨年秋の愛知県会長杯と今年春のJABA長野大会で2度、最高殊勲選手賞に輝いている。体は169センチと小さいながらも140キロ後半も出るストレートでタイプ的には日ハム武田久によく似ており、今年社会人3年目となり満を持してドラフトを待つ。

フォームチェック:★★★★★
 このビデオを見ても分かるようにピッチングのテンポがよく力量感がある。ピッチングフォームチェックで5を付けたのでよい点を下の写真で紹介しよう。
 1番目の写真は、ノーワインドアップに入る所でリラックスして集中している。2番目の写真が佐竹君の特徴でもありハンカチ王子も真似した所だが、ヒザを曲げてタメがある。ヒザを曲げるのは負担があるので、私が教える時には曲げ過ぎないように注意しているが程よい曲げ具合だ。ヒザ曲げる利点は、タメが出来る以外にも「体が前に突っ込まない」「フォームに余分な力が入らない」などがある。この写真で一番良い所は左足の踵が軸足を沿うように上がっている点とグラブの位置がおへその所に収まっている点だ。これにより曲げたヒザをカバーし、体が一直線に保たれる。この2点がないとバランスを崩してしまうのでこれは私が一番教えている点だ。
 3番目の写真は、左足を踏み出した所で左足の方向が真直ぐにキャッチャーに向かい、胸が十分に張れ腰がしっかりと入った形だ。グラブの位置も良く、右腕が見えていない理想的なフォームだ。
 4番目の写真は、腕を振る所でヒジの位置が高くヒジが前に出て十分にしなりがある。肩のライン(角度)も良く上から振り下ろす形が出来ている。この位置から5番目の写真の左ヒザのフィニッシュの位置に直線で描くと腕の振りの素晴らしさが分かる。小さな体で速い球を投げられる特徴は腕の振りと角度がいいからだ。
 5番目の写真は、フィニッシュしている所で上体と右腰が左足に十分に乗っている。また、最後まで腕を振り切っているのが分かると思うが力を込めると、この腕が反対方向に戻ってくることが上のビデオでも確認できる。腕が最後まで素早く振れている証拠だ。最後に、ピッチャーを目指す選手に言いたいのは、全ての写真でいえるように、一度も目を切らず最後までキャッチャーミットを見ている点であり、このことが佐竹君の内面である向上心や向かっていく姿勢が読み取れ、完成度の高い素晴らしいピッチィングフォームに仕上がっている。


 続きを読む... 第4回 小笠原 広紀