■ピッチングフォーム徹底分析
第9回 金丸 将也 2010.10.2
中部大学−東海理化−2010年広島4位指名 引退
スポスタ 地元のドラフト候補 2年前のリベンジ
中部大学時代のピッチングフォーム
紹介:宮崎県佐土原高校から中部大へ進み大学1年から登板、2008年に愛知大学リーグで初優勝、大学選手権1回戦では龍谷大相手にリリーフし7回1/3を準完全に抑え(下新聞)一躍ドラフト1位候補となったが、上腕二頭筋痛で秋のリーグ戦は登板ゼロ、ビデオのようにドラフトの指名はなかった。しかし、東海理化に進み昨年の都市対抗予選でも遠投をしている姿を見たが上腕二頭筋痛はなくなったようだった。そして今年、都市対抗予選でも岡崎市民球場と東京ドームで150キロをマークし完全復活を見せた。身長は私と並んでも5センチぐらい高く、188センチぐらいから投げ下ろす150キロの速球とシュート、チェンジアップが武器。打席に立つと長身で長い腕で体ごと打者に向かってくるタイプで、巨人にいた川口投手やランディ・ジョンソンのような威圧感がある。大学選手権でも打者は恐怖感から思わずバットを振ってしまうこともしばしばあった。社会人2年目の今年のドラフトで指名されるか楽しみだ。
フォームチェック:★★★★
上の写真は大学選手権で準完全に抑えた時の写真、これで現在と比較しながら説明すが、全体のピッチングフォームはすごくオーソドックスで下の写真でもあるように上半身と下半身の捩れを上手く生かしたフォームであることを頭にいれてもらいたい。
まず、2枚目の写真は足を上げた時の写真で足が高く上がり腕の位置も高くて良い。現在では足を上げた時の間も十分となった。その後、3枚目にあるように足を踏み出すまでグラグと右足を残す形で前に突っ込むのを防いでいる。ただボールを持つ手首が折れているのだが、これは左手が体の近くにあることを示す。手首がセンター方向に上がると手首の曲がりを抑えられる。また、写真では分からないがグラブの手首を曲げ上手く切り返すのが特徴だ。
4枚目の写真ではステップした時の形であるが、肘も残り胸の張りは十分である。
5枚目の写真では、ややスリーコーター気味の投げ方で肩を支点に腕が伸びきっている。これが大学時代に上腕二頭筋痛の原因にもなったかもしれない。それとグラブの位置が低いのでもう少し高い位置に収まると左腕の遠心力を抑え左右のコントロールのバラツキがなくなるであろう。
6枚目の写真は頭が突っ込んでいるのでリリースポイントに力が加わらないが、社会人では修正されつつある。また、軸足が踏み込んだ足の近くを通るので腰を切れる形になっている。ただ軸足が流れるタイプなので軸足を蹴るようになるともっと右打者のインコースの攻めが良くなる。
以上のように言い点に加え悪い点が社会人で修正され、都市対抗の予選ではほぼ完璧なピッチングを見せた。現在抑えで活躍しているが先日話を聞くと先発でも頑張りたいとのことでプロにも前向きな回答が帰ってきた。
プロに進んでも杉内投手のように近年の左投手にあるまとまった投手ではなく、迫力ある大型左腕になるタイプだけに是非プロに進んでもらいたい。
2008.6.11 報知スポーツ
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