COACHING -指導-












■いいピッチャーになるための5つのポイント 2006.1.21

 第5回 C体のバランスを乱さないこと
 体のバランスを乱さないこと、すなわち「正しいフォームで投げること」は、いいピッチャーになるための基本だ。

 他の4つのポイントが良くてもその基本となるフォームが正しくなければ思った所に思ったようなボールは投げられない。

 そのピッチングフォームだが、それぞれ違うも投げ方であるものの基本となる正しい形は左・右、上・横・下投げがあるが共通している。

 では、その共通する基本を教えよう。まず、「足は最短距離で上げ軸足から頭まで一直線にする」 これは足を上げる時に遠回りしていては体もブレてしまうからで、上げる足のかかとが軸足をこするぐらい意識すると軸足から頭まで一直線に保つことができ正しい形が出来上がる。足を上げたら体のタメをつくるのがポイントだ。急がないように意識しよう。

 次に「体重移動はお尻から移動させる」 上体ばかりに力が入ってその割にはボールが来ないピッチャーはこれが出来ていないケースが多い。頭の位置をあまり移動させないようにしてお尻から移動させると下半身を使ったいいフォームとなる。また、ステップするまでは上体は右ピッチャーならサード方向を向いておくことが必要だ。体が開かないように注意しよう。

 次に「まっすぐにステップし親指で地面をつかむ」 最近教えているピッチャーはまっすぐステップ出来ないピッチャーが多い。股関節が硬いのかインステップするピッチャーが多いがキャッチャーミットに一直線上にステップしないと腰などに負担が掛かり最終的には手先でコントロールしてしまう。すなわち下半身で方向を決めないと正しいフォームは完成出来ない。それから踏み出した足がグラつかないように親指で地面をつかむ感覚を覚えると良い。 

 次はテークバックだが、「両腕を左右対称に肩まで上げボールはセンターに向ける」 腕を上げるのは左右がなるべく対称でないと利き腕に負担が掛かってしまう。それと野手のように肘を曲げて投げてしまうと肘も痛めることになる。なるべく肩のラインまでは両腕が左右対称となりボールは下を向くのが基本だ。その後切り返しが始まりボールがセンターを向くことになる。ピッチャーなら小学生でもこの腕の動きは覚えてほしい。

 次に「目の前でボールを離す」 ピッチャーが調子が悪いと「腕を振れ」と言うが、これは大きな間違いだ。腕を振って思った所に行くならどんどん腕を振ればいい。大体のコーチはこれを言う。しかし、いくら腕を振ってもコントロールが良くなるものではない。コントロールを良くするためには、いかに「ボール離すポイントを一定にする」かだ。それには、なるべく自分の目の前でボールを離すのだ。腕を振るのではなく、離すポイントを一定にし集中することだ。それにはなるべく腕を前で離し、いわゆるボールを長く持つことになればコントロールはかなり良くなるはずだ。

 最後に、「投げたら構える」 ピッチャーは9人目の野手と言うが、一番の野手と思って欲しい。実際バントを含めるとピッチャーが処理する打球は多い。投げた後しっかり構えておかないと処理できない。しかし、それ以上に「投げたら構える」ことの出来ないピッチャーはフィニッシュまでのピッチングフォームが出来ていないのだ。せっかく途中まで良くても最後が安定しないようでは正しいピッチングフォームではないのだ。どこかで無駄な力が入っていたりするとこのようになってしまう。

 とにかくピッチャーは基本である正しいピッチングフォームを身につけてほしい。それには、鏡の前で繰り返しシャドーピッチングするのだ。


 続きを読む...第6回 D「狙ったところに投げる」強い意志を持つこと